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鍼灸

鍼灸で気を整えましょう

鍼灸はおよそ二千年前から行われてきた、伝統的な施術になります。

日本に伝来してからも、鍼灸は独自の発展を遂げてきました。

鍼灸は東洋医学の考えに基づいた施術であり、病気とはいえない不調にも対応することが可能です。

全身に300以上あるツボの中から、患者様の身体の状態を整えるツボを選んで刺激することで、さまざまなメリットが得られます。

こちらでは、鍼と灸それぞれの特徴や期待される効果について詳しくご紹介します。

目次

鍼灸はこのような方におすすめです

  • 夏場でも冷えが気になる
  • 慢性的な肩こりをなんとかしたい
  • 朝起きてもスッキリとしない
  • ここ最近、身体に疲れが溜まっている

意外と知らない鍼灸のこと

鍼灸とは、文字通りのことです。

中国から伝わり、時代とともに変性してきました。

鍼は「針」の旧字です。
日本では、漢方で使う施術用のものには、旧字の「鍼」を当てています。

鍼灸とはよく耳にするものの、どのような施術なのか分かってない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

特に鍼施術は、鍼を打つだけだと思われていますが、鍼に電気を流すこともあります。

鍼とお灸で、それぞれどのような特徴があるのか詳しくみてみましょう。

鍼の特徴

◇鍼の歴史

鍼は二千年以上前の中国で誕生し、6世紀ごろに朝鮮半島経由で日本に伝わったといわれています。
日本初の律令「大宝律令」にも、鍼博士・鍼生などの官職が設けられたという記録が残っています。

鍼は一時衰退しますが、江戸時代前期に杉山和一という盲人の鍼師が、鍼灸の教育制度を確立しました。
また、日本で主流となっている「管鍼法」も開発されました。
明治時代に入ると西洋医学が主流となり、鍼は民間療法として位置付けられるようになったとされます。

◇鍼施術の仕組み

鍼は東洋医学が応用されています。
東洋医学では、不調を改善するためには、身体のバランスを整える必要があると考えられています。

身体のバランスは、「気」「血」「水」の3要素から構成されています。
気とは体内を流れるエネルギーのこと、血は文字通り血液のことです。
水は、体内にある血液以外の水分のことです。

気や血は経絡(けいらく)を通って全身を巡っています。
鍼施術では、経絡上にあるツボを刺激することで経絡の流れを改善し、エネルギーや血液、体液のバランスを整えていきます。

◇鍼施術の方法

鍼施術には、次のような方法があります。

・電気鍼

電気鍼は身体に打った鍼に電気を流し、筋肉に刺激を与える施術です。
ツボの深いところにまで刺激が伝わりやすくなります。
おもに背中、腰などで行います。

・置き鍼

置き鍼とは、打った鍼をしばらくそのままにしておく施術です。
普通の鍼よりも刺激は弱くなりますが、患部を継続的に刺激することができます。

◇鍼の衛生面

鍼は、使い捨てのものを使用しています。

また、日本では「管鍼法」という方法が主流です。
鍼よりもやや短めの鍼管と呼ばれるストロー状の管に鍼を挿入し、飛び出た鍼の柄の部分を軽く叩くことによって鍼を打ちます。

身体に打ち込む部分に施術者が触れることはありません。
そのため、鍼は非常に衛生的な施術となっています。

灸の特徴

◇灸の歴史

灸も鍼と同様に二千年以上前の中国で生まれました。
その後、日本に伝わり、平安時代までは灸施術が中心となっていました。
江戸時代の書物「奥の細道」でも、灸が登場します。
明治に入ると西洋医学が到来し、灸施術は民間療法として広く普及しました。

◇灸の仕組み

灸も鍼と同じく、気や血の流れを整えることを目的とした施術です。
皮膚表面から温熱刺激を与え、身体のバランスを調整していきます。

◇灸施術の方法

灸施術には、直接灸間接灸という方法があります。

・直接灸

もぐさを直接皮膚の上に乗せて点火する方法です。
もぐさが皮膚に触れているため、熱をダイレクトに伝えることができ、身体の冷えの解消にもつながりやすくなります。

直接灸はさらに、有痕灸無痕灸に分けることができます。
有痕灸には、もぐさを燃やし切る透熱灸やウオノメやタコの目を焼き落とす焼灼灸、わざと化膿させる打膿灸などがあります。

有痕灸は痛みが強く、痕が残るため、現在ではあまり行われていません。
無痕灸は、痕が残らないようにもぐさが燃えきる前に火を消します。

・間接灸

間接灸は、もぐさの間にものを挟み、間接的にもぐさの熱を皮膚に伝える施術です。
じんわりとした優しい熱感を得られます。
現在では、厚さ数ミリの台座を挟むことが一般的ですが、昔は生姜やびわの葉、くるみの殻などが使われていました。

◇もぐさについて

灸では、やわらかいもぐさを使用します。
もぐさの原材料は、よもぎの葉です。

よもぎは古来、薬草として親しまれおり「ハーブの女王」とも呼ばれています。
よもぎの葉の裏にあるふわふわとした絨毛を精製すると、もぐさができます。

もぐさは燃焼温度が低いため、じわじわと身体を温めることができます。
また、もぐさを燃やすと、スッキリとするような独特の香りを放ちます。
これは、チネオールという成分によるものです。
チネオールには、殺菌効果抗炎症作用などが期待されます。

鍼灸に期待される効果

鍼灸は、それぞれ異なる方法で患部を刺激します。

鍼の刺激は深部まで届くため、筋肉のこりをほぐすことに役立ちます。

一方、灸は温熱刺激であるため、身体を温めることに適しているといえます。

患者様の身体の状態や気になる症状に合わせて、柔軟に対応いたします。

こちらでは、鍼灸で期待できる効果や改善が期待できる症状について詳しくご紹介します。

鍼施術による効果

◇痛みの緩和

鍼の刺激が脳に伝わると、エンドルフィンが生成されるといわれています。
エンドルフィンは、痛みを抑える作用を持っているため、頭痛や腰痛、膝痛といった身体の痛みの緩和が目指せます。
また慢性的な痛みだけでなく、ぎっくり腰や寝違えといった急性痛の緩和にも役立つといわれています。

◇筋緊張の緩和

鍼は、直接筋肉に刺激を与えることができます。
鍼を打った状態でしばらく置いておくと、軸索反射と呼ばれる反応によって血管が拡張します
毛細血管が広がることによって、筋肉にも十分な酸素や栄養素が取り込まれやすくなり、筋緊張の緩和が期待されます。

◇自然治癒力の向上

鍼でツボを刺激することで、気や血の流れが整い、自然治癒力の向上が期待されます。
自然治癒力が向上すると、慢性的なだるさや疲労感なども軽減されやすくなります。

◇代謝の向上

鍼で内臓の不調を整えるツボを刺激すると、内臓が本来の働きを取り戻しやすくなります。
内臓が活発に動くようになると代謝が向上し、痩身にも役立ちます。

灸施術による効果

◇血行の促進

灸は、皮膚の表面から身体を優しく温めるため、血行の促進が期待されます。
血行が良くなると冷えむくみといった不調も解消されやすくなります。

◇自然治癒力の向上

灸の熱によってツボを刺激することで、気や血の流れが整い、自然治癒力の向上が期待されます。
また、灸の温熱刺激で体温が上がることで風邪予防にもつながります。

◇寝付きの改善

灸によって身体が温まると、リラックス効果が期待されます。
昂っていた神経が落ち着くため、夜も眠りやすくなります。

◇肩こりの緩和

肩こりは、血行不良が原因となっていることがあります。
灸の温熱刺激によって首や肩、背中を温めることで血行が良くなり、肩こりの緩和が期待されます。

鍼施術で改善が期待できる症状

◇肩こり

肩こりは、筋緊張が原因となっていることがあります。
肩こりがある部分に鍼を打つと、筋肉の緊張が弱まります。
さらに電気刺激を加えることで、深部にある筋肉の緊張までほぐれてきます

◇頭痛

慢性頭痛の1つである緊張型頭痛は、首や肩の筋肉の緊張が影響しているといわれています。
鍼を打ってこれらの筋緊張を緩めることで、頭痛の症状が緩和することがあります。

◇神経痛

鍼は、神経痛の緩和にも役立ちます。
人間の身体は、1度に1つの痛みしか処理できなくなっています。
その特性を利用し、鍼刺激を皮膚に与えることで、神経痛の痛みがブロックされ、痛みを感じにくくなる効果が期待されます。

◇眼精疲労

眼精疲労は、自律神経の乱れが原因となることがあります。
鍼をツボに打って自律神経の働きを整えることで、眼精疲労の軽減が目指せます。

灸施術で改善が期待できる症状

◇自律神経の不調

自律神経が乱れると、頭痛めまい、吐き気、胃もたれといった、さまざまな不調がもたらされることがあります。
東洋医学では、自律神経の乱れもツボを刺激することで解消できると考えられています。

灸で皮膚に心地よい温熱刺激を加えることで、エンドルフィンという神経伝達物質の分泌が活性化します。
エンドルフィンには、精神を安定させる作用があるといわれており、自律神経の働きを正常に戻りやすくします。

また、灸を燃やすと爽やかですっきりとした香りが放たれます。
温かい刺激を感じながら良い香りに包まれることで、副交感神経に切り替わりやすくなる効果も期待されます。

◇婦人科系のトラブル

つらい生理痛月経不順といった婦人科系のトラブルは、身体の冷えが関係していることもあります。
灸施術によって、身体の表面からじわじわと温めることで血行が促進され、婦人科系のトラブルが解消されやすくなります。

いるか鍼灸整骨院の【鍼灸】

施術方法

◇鍼施術

当院の施術に使われる鍼はディスポーザブル鍼で毎回使い捨てになります。
太さや長さも数種類あり、部位や症状に合わせてそれぞれに合った鍼を選び施術を行います。

また、円皮鍼という3ミリ程度の針がついたシールを貼り、数日そのままにしておくような鍼もあります。

◇灸

温熱灸という筒状の台座があり、もぐさでその中の空気を温めるという施術方法になります。
もぐさが直接皮膚に触れることがなく、やけどの心配がほとんどありません。
症状によって、昔ながらのもぐさを直置きしての施術も行っています。

当院では東洋医学的アプローチ西洋医学的アプローチを行っています。

◇東洋医学的アプローチ

施術の基本には、経絡経穴(ツボ)があります。
経穴(ツボ)は、長い歴史のうえで経験的にみつけられた、治癒力を高める効果の期待できる身体の表面上のポイントで、全身には365の代表的な経穴(ツボ)があるといわれています。

それらの経穴(ツボ)は気血の流れにしたがって、14本のルートに分かれており、これを経絡といいます。
経絡と経穴(ツボ)の関係は丁度、鉄道の路線と駅のように考えていただくと解りやすいでしょう。
その経絡と経穴を使いアプローチをしていきます。

◇西洋医学的アプローチ

鍼によって凝り固まって癒着している筋組織をはがし、お灸では温熱効果で血流を良くすることで症状の改善が見込まれます。
また、鍼では筋肉まで鍼を刺し、そこへ電極をつけて微弱の電気を流します。
急な痛みマッサージでは取りきれない慢性的なコリに対してとても有効です。

適度な筋肉の収縮は自律神経系に作用し、深いリラックス効果を生みやすくなるため、寝ても疲れが取れないなどの症状の方にもおすすめです。

よくあるご質問

保険が使えますか

医師の同意書があれば保険適用になります。同意書は当院で用意します。

鍼は痛いですか

まったく痛くないとはいえません。ただし治療用の鍼になりますので注射針に比べれば痛みはごくわずかですし、痛みを全く感じないことがほとんどです。
鍼は独特の響きがありますので苦手な方もいますが、響きは調整することができますのでご安心ください。

お灸は熱いですか・匂いはありますか

多少の熱さはありますが、もぐさが直接皮膚に触れることがないため、やけどの心配がほとんどありません(皮膚が非常に弱い方は跡が残ることがございます)
匂いも多少ありますが、火を使ったお灸の中では一番匂わないお灸を使用しています。

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著者 Writer

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山下 正信
ヤマシタ マサノブ
保有資格:柔道整復師、鍼灸師、障害者スポーツトレーナー、登録販売者
得意な施術:痛みを探る手技

<患者様へひとこと>
痛みに関してささいなことでもご相談ください。
患者様と共に痛みのない生活を送るをモットーに施術を行います。 実績経験はありますが、痛み方は同じとは限りません。毎回新鮮な気持ちで常に向上心を持ち患者様の痛みを取り除くためにはどうしたらよいか常に考えています。
専門分野でなくてもアドバイスができると思います。

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